骨の量には個人差がある為、口腔内の状態でインプラントの成功率は変わってきます。例えば、重度の歯周病や長期間にわたり歯を抜けたまま放置していたなどの場合、顎の骨が痩せてしまうケースが多く、手術前にCTの撮影をするとインプラントを埋入するための十分な骨の高さがなかったり、幅がなかったりということが生じます。そのままではインプラントを埋入することができないため、骨の造成・再生が必要となってきます。

骨の造成・再生を補う3つの方法

インプラント治療は簡単に行える治療ではございません。
そのため、治療前には必ずカウンセリングやレントゲン・CT検査が必要となり、患者さまの状態を事細かく知る必要があります。
また、インプラント治療が行えるかどうかを判断するのは診断した歯科医院となり、技量や設備もさまざまとなります。ですので、その歯科医院で骨の高さや幅がないと断られたからといって、インプラント治療が絶対にできないというわけではありません。特に骨が理由で断られた方は、是非東京インプラントリカバリーセンターにご相談ください。

GBR

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骨幅が不足しているときに用いる治療法です。不足している部分の骨を人工の膜で覆い、そこに補強填材を入れることで骨の巾を増やしていきます。

インプラント手術と同時に行えますが、骨の状態が安定するまでに約4~6か月かかります。インプラントに義歯を取りつけるのは、骨の状態が安定してからとなります。

サイナスリフト

サイナスリフト

上あごの骨の高さが不足しているときに行う手術です。上あごを包んでいる膜を押し上げて、できた隙間に補強填材を入れることで、インプラントに必要な厚みを作ります。

サイナスリフトを行った場合、骨の状態が安定するまでに約10か月かかります。インプラント手術を行うのは、主に骨の状態が安定してからとなります。

ソケットリフト

ソケットリフト ソケットリフト

インプラント手術と同時にする場合と、増骨のみを行う場合があります。インプラント体を埋め込むための穴を開けた際に、その穴から人工骨を入れることで、必要な骨の厚みを作り出します。

サイナスリフトに比べると切開の範囲が狭いため、患者さまへの体の負担も少なく、治癒期間も短くでき、感染リスクが減らせるという利点があります。

増骨手術では、新たに骨を作り出すための補填材が必要です。補填材には、人骨を使ったもの、牛骨を元にしたものなどさまざまな種類があります。東京インプラントリカバリーセンターで使っている補填材は、β-TCPと呼ばれる100%人工骨です。

β-TCPは、補強填材として決して高い強度をもつものではありません。しかし100%人工の素材でできているため、未知の感染症にかかるリスクはなく、安全性に優れています。また、炎症などが起きたときには自然に体内に吸収されてしまうので、安心して増骨治療を受けていただけます。

骨の造成・再生の流れ

インプラント治療を行う上で、まず施術前に骨の硬さをしっかりと把握し、その硬さに合った施術を行う必要があります。
そのため当院では、手術を3つのステップに分けて、それぞれの段階で対策を取っています。

手術前の骨診断

手術前の骨診断(来院1回目)

インプラント治療を行う際には、インプラント体を埋め込む部位の骨の状態をきちんと把握しておかなければなりません。レントゲン撮影やCT撮影をとおして、骨の高さや厚みを意味する「骨量」、骨の密度を意味する「骨質」の2方向から、骨のデータをしっかりと把握します。

当リカバリーセンターでは、そのデータに従って骨の状態を4タイプに分類しタイプ別に一番合った施術器具を選択しています。

さらに骨の状態は、同じ患者さまの体であっても場所によって硬さが違うことがありますので、CT画像だけではなく、ピンオステオトームという診断器具を使っています。
ピンオステオトームを骨に刺すことで、手術を行う部位の骨の状態をピンポイントで知ることができます。

インプラント窩の形成時

インプラント窩の形成時(来院2回目)

インプラントを埋め込むための穴を必要以上に大きく開けてしまうことが、迷入といった失敗につながります。当リカバリーセンターでは、事前に診断した骨の状態に合わせて器具を選定します。非常に硬い場合はドリル、中間の硬さなら超音波切削器具、柔らかい場合はオステオトームやボーンエキスパンダーを使っています。

しかし、歯科医師がほんの少し力を込めすぎただけでも、穴を開けすぎてしまうことがあります。そのような事態を避けるために、当センターではすべての器具にストッパーを取りつけています。力をかけても外れにくいタイプのストッパーを使うことでヒューマンエラーのリスクを最小限に引き下げています。

また、穴を押し拡げるためのオステオトームという器具を使うことで、穴の周囲の骨密度を圧縮して均一にしています。さらにインプラント体よりも穴の底部を細く仕上げておくアダプテーションテクニックで、インプラント体と骨がしっかりと固着するように工夫しています。

インプラント埋入時

インプラント埋入時(来院3回目)

インプラント体には、上から下まで同じ太さのストレートタイプと、先に行くほど細くなっているテーパータイプがあります。当院で使用しているインプラント体は、テーパータイプをメインに使用しています。インプラント窩を作るときにもテーパータイプに合わせて形成しているので、インプラント体が骨の中に入り込みすぎてしまうことがありません。

また、ストレートタイプのインプラント体を埋め込む際、インプラントの頭部に取りつけるカバースクリューは、インプラント体の直径よりも大きいものを使っています。このカバースクリューがストッパーとなって、インプラントが骨に入り込みすぎるのを防げます。