インプラント体は、埋め込んでからある程度の期間を経て、骨に癒着(固定)することによって、歯の根と同じように、被せ物を支えることができるようになりますが、インプラントが骨に癒着(固定)せずにぐらぐらしたり、一度くっついても後で剥がれてしまったり抜けてしまうことがあります。
これは施術する歯科医師の技量の問題ですが、手術時にインプラントの固定が悪く、最初からグラグラしていたり、逆にきつく締めすぎて骨が傷んだりして、結局くっつかないということもあります。
ぐらつきを引き起こす原因
1.寝ているときの歯ぎしりや食いしばり
歯ぎしりや食いしばりによって、歯に強い力が加わると、インプラントが割れたりすることもあります。
自分で出来る歯ぎしりチェック10項目
- 何かに集中している時、歯を食いしばっていることがある
- 朝起きた時、顎や頬の筋肉が張っていることがある
- 頬や舌に歯を押し付けた跡が残っている
- 歯ぎしりしていると近親者に言われたことがある
- 歯がすり減ってきている
- 歯の根元が削れている
- 下の歯の内側や上の歯の頬側、上顎の真ん中に骨のコブがある
- 詰め物がよく取れたり、割れたりする
- 知覚過敏の歯が多い
- 歯に亀裂がある
2.補綴物のネジの緩みや劣化
インプラント治療は顎の骨の中に人工歯根を埋入してから、経過観察します。時間の経過とともに骨とインプラントが結合することで土台が定着します。稀に、骨とインプラントの結合が上手くいかず、補綴物のネジが緩んでしまうことにより、ぐらぐら動いてしまうことがあります。
また、インプラント治療の中で、ネジの素材であるチタンは、生体と親和性が高い金属であると証明されているため、広く使われております。ですが、このチタンがインプラント埋入時に劣化している可能性が高いと言われております。しかし、現状ではこのチタンを劣化させずに取り入れることが非常に難しいため、残念ながら現状ではチタンが劣化した場合は、早急に取り換えるか歯科医院にご相談いただく事をおすすめします。
3.アパットメントのネジの緩みや破損
インプラントと人工歯(被せ物)を連結させるアバットメントが緩んでいると、外れる可能性があります。
当院での対処法
自分自身で原因を特定するのは良いことです。ですが、ぐらつきを治すために接着剤などで固定することは避けてください。歯科医院にて必ず受診しましょう。
原因を解消したからといって、放っておくと、インプラントの状態はさらに悪くなります。また、周りの歯にも悪影響を及ぼすこともあります。受診するまで時間がある場合は、可能な範囲でお口の中を清潔に保ち且つ、原因の改善を続けてください。また、硬い食べ物は避け、極力歯に負担が掛からないようにしましょう。
当院で受診される場合は、「ぐらついた時期やきっかけ」を仰っていただくだけで、原因に対する改善策やもちろん修復も行わせていただきます。